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ミカエル・スタンダード Vol 7

さて新宿ロフトに出演が
決まったわけだが

リハーサルはいつもより
熱を帯びていた…

そりゃそうだよな…

昼の部といえども
あの
「新宿ロフト」
だからな…

丈慈は
前回の渋谷のライブに
出演してないから
ザ・ルーディーズとしての
初陣が
新宿ロフトという
トンでもないシュチエーションだったわけだ(笑)

出番前の楽屋では
みんな押し黙っていた…
新宿ロフトに
出演できる喜びよりも
緊張が上回っていたからだ…

そしていざ本番…

ステージへ出た瞬間
客席側から見るステージと
ステージ側から見る客席が
こんなにも違うものかと
まず驚いた…

いつも
働いている場所なのにな…

ステージ側から見る客席は

何というか

「観られている…」

という圧迫感が
ハンパじゃなかったな…

これが
新宿ロフトのステージか…

とまず思ったよ…

お客さんも
まあまあ埋まっていた…

オリジナル中心の
30分くらいの
ステージだったけど
あっという間に終わった…

終わった後の楽屋では
みんな黙っていたような
気がする…

確かに
ミスもあっただろうが
それよりも

新宿ロフトのステージに
圧倒された…

というのが正解だろう…

オレはというと

自分が思ってるようには

何も出来なかった…

というより

こんなステージに
オレなんかが
出演していいのか?

という恐怖感が
心の中に芽生えていた…

ライブ終了後
当時の店長の
ヤマザキさんに
感想を聞きにいった…

だいたい店長は
昼の部のステージは
よっぽどのことがなければ
観に来ない…

でも
わざわざヤマザキさんは
観に来てくれた…

感想はというと…

「なかなか
良かったんじゃないか!
次のチャンスもあるな…」

というものだった…

ただオレは
うなだれたまま
その感想を聞いていた…

なぜかというと

何も出来なかった自分…

新宿ロフトのステージ…

ライブに恐怖心すら
覚えていたからだ…

どんなに誉められようと

それは消えなかった…


地獄へたたき落とされた

瞬間だったわけだ…

家へ帰っても
しばらくギターケースを
開けることはなかった…

というより
逃げ出したい気分だった…

こんなオレが
新宿ロフトのステージに
これからも立てるのか?

それを心の中で

繰り返し自問自答

していたからだ…


消えない恐怖心とともに…



ザ・ルーディーズ
Singer
秋村恵丈