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ミカエル・スタンダード vol 8

さて
ライブの恐怖心から
なかなか逃れられない日々が続いていたオレだが

やっぱり
ギターケースを
開けようとは
思わなかった…

だけどな…

ある日
「ギター弾きてえな…」
と思える日がやってきた…

大好きだったんだよな…

やっぱり

音楽が…ギターが…


ライブへの恐怖心とは別に

音楽への楽しさが

蘇ってきたんだ…



そんなある日のことだ…

店長のヤマザキさんから
また呼ばれた…

話を聞いてみると…

「アキボー
この前のライブ良かったよ
次は
夜の部に出演しないか?」

というものだった…

当時としては
大抜擢だったと思う…

昼の部から
ひとっ飛びで夜の部に
出演したバンドなんて
聞いた事がなかったからな…
驚いたよ…


次の瞬間


ライブへの恐怖心が
消えたわけではない

俺が…だ…

そんな俺が…だ…

こんな返事をしてしまった…

「よろしくお願いします!」

えっ?

何でこんな返事してんだ?

お前大丈夫なのか?

そんな心の声を
無視するかのように

はっきりとした口調で
答えていた…

今考えても不思議だよ…

何であんな事言ったのか…

でもその時は
確信に満ちた
別の俺がいたんだよな…

なぜだか分からないけど

もうひとりの俺がいた…



帰ってから
ギターを引っ張り出し

こう思った…

逃げるくらいなら

やってやる!

ってな…

逃げるなんて

冗談じゃねぇ…

ってな…


そして
ライブ当日がやってきた…

震える心と

確信に満ちた心…

その両方を持ち

待ち構える

俺が

そこにいた…



この写真は
実はもっと
先のライブのもので
オレがボーカルに
なってからの写真だ…

でもここで
出したかったんだよな…

この写真の頃は
完全の乗り越えた
状態の時の写真だから…



ザ・ルーディーズ
Singer
秋村恵丈